引きずりすぎ

金閣寺の事ばかり考えていて、日常生活に支障をきたすようになりました(苦笑)ため息と共に「溝口…」と頻繁に口に出してしまうので、娘が怯えています(笑)*1
そして、鳳凰さんの日誌を読んでただ涙。剛ちゃんが好きだ。


今日はカキツバタの場面の事。以下ネタバレを含みます。
今回、溝口の独白部分を高岡くんと大東くんが語ります。衣装は現代のまま。高岡くんは舞台の内容に絡んでこないのですが、大東くんは内容に絡んできます。それはカキツバタを持っていることと、手の中に残った葉を溝口に渡すこと。
あの場面の彼は、鶴川になっていると思っています。
柏木に頼まれ、鶴川が握りしめているカキツバタを溝口が摘みます。鶴川はカキツバタをギュッと握りしめていて、溝口は一輪一輪、花を選びながら力をこめて引き抜きます。
私が鶴川になっていると思ったのは、自分の手の中にあるカキツバタを溝口に摘まれている大東くんの表情が、とても切なくて哀しそうだったから。「あ、鶴川なんだ」と瞬時に思いました。
鶴川の手から手折ったカキツバタを、溝口が柏木に渡す…。なんか、もう切なくて切なくて。手の中に一枚だけ残った葉を、鶴川は哀しそうに見つめているし…。涙が滲みました。
そして、「生きているか死んでいるかわからない時間」を過ごしている溝口が椅子の上で横たわっている所へ、その残った葉を差し出します。ふと、目線を上げて、その葉を見つめるとそっと手を伸ばし、鶴川の手からその葉を抜き取ります。溝口に葉を手渡した鶴川は舞台の奥の暗闇の中へ歩いていきます。
その葉の先端が鋭角になっていることに気付いた溝口が「この葉が鈍角になったら世界が変わる」と認識して…。鶴川の手から受け取った葉によって、溝口が生を取り戻すんですね。…やっぱり切ない。

*1:そんな娘も時々「溝口…」と呟いているのですが(笑)