鉈切り丸感想 25日、26日

ようやく、25日、26日と鉈切り丸を観劇してきました!(後は千秋楽を観劇します)
ここまで長かった…。25日は娘と、26日は年に一度、年をとる日なので(笑)、一人で観劇。
25日も26日も10列目*1でした。
25日はセンターブロックのほぼ真ん中、26日はセンターブロックの一番右端*2

やっぱり鉈切り丸の最後には涙が止まらない。
娘は「ママは剛くんのファンだから、役とは言え剛くんが死ぬからだよ」と言いますが、トビーアスが死んだ時はここまで涙が出なかった。
トビーアスも本当に可哀想だったけど…。
悪の塊の鉈切り丸。
でも、その奥深くにある鉈切り丸の孤独が全身を覆い尽くしていて、切なくて哀しくてたまらなかった。
母親に愛されなかった哀しみをずっと抱えて生きてきた鉈切り丸。
そういう風に言葉にならない、無意識の哀しみと孤独をオーラで表現できるのが剛ちゃんだなあ、と。
そして、その孤独が剛ちゃん自身のものとシンクロしてしまう…。


以下、がっつりネタバレしてます。
前楽及び千秋楽が初見という方もいるかもしれませんので畳みます。




25日
東京公演初日以来なので、17日ぶり。
鉈切り丸がますます悪意に満ち満ちていてぞっとしました。
義仲の墓所でお坊さんの首を切り落とし「巴ぇぇぇ」と言いながら、それを掲げる時の声音。
その後に見せる表情。
なんて悪いヤツ。

ほぼ真ん中の席なので、舞台の中央でポーズをとっている俳優さんが、場面転換の時にセットで隠れるまできちんと見えていました。
剛ちゃんが両手を広げてポーズを取っている姿は惚れ惚れします。
頼朝の葬儀の帰りらしき町民たちが行きかう場面。
漁師と二役を演じてる方はアドリブで芝居をしているようです。
連れだって歩いてる男性を振り返って「いい時代だったな」
また少し歩くと振り返って「いい時代だったな
最後、袖に引っ込む直前で振り返り「いい時代だったな」
表情を変えずに淡々と言うので、天丼にすると面白さが増してます(笑)
ただ、マイクを通さないので1階前列にしか聞こえないのが残念。

鉈切り丸が運ばれて行く時の感想。
私「剛ちゃんは軽いからラクだろうなあ」
娘「剛くんが脱臼したらどうしよう!!」

26日
登場場面の最後、頭上に「鉈切り丸」という字が掲げられ、両手を広げた鉈切り丸の上に降りしきる霧雨。
幻想的でとても綺麗。鉈切り丸の異形なシルエットとギラついた瞳が印象的な場面。

町民の方のアドリブ台詞、この日は「香典、いくら包んだ?」でした(笑)

巴が死んだことを確認するように、巴の腕をぽとりと床に落とした後、鉈切り丸は汚いものを払うように自分の左の掌を右の掌でパタパタとはたくのですが、その音が私の座席まで聞こえてきました。
25日は聞こえなかったので、音を大きく出すようにしたのかな。
巴の舌を捨てた後も、血のついた自分の指を擦ったり、イトに噛みつかれた部分をいつまでも触って見ていたり、と、あのお堂の中での鉈切り丸の仕草はかなり子どもっぽくて別人みたい。
何故かそれがとても可愛いのですが(笑)
刀で人を斬り殺して返り血を浴びるのは平気なのに、自分の手に直接血がつくのは嫌なのかな。

後半、政子に返答する時の「あ?」「まだーー、なんです?」の声音が怖ろしい。
自分の思い通りに事が進まない苛立ちが鉈切り丸の中で渦を巻いているよう。

最後の水の中で立ち回りは凄くカッコいい!!
その分、とても大変なのだろうけど。
着物がたっぷり水を吸っているだろうから、普通の服より遥かに重いのでは。
けれど、あの立ち回り。惚れ惚れします。
そして、斬られた時の力の抜け具合が本当に好き。たまらない(笑)
操り人形の糸が切れたように腕がだらりと垂れ下がる。
水の中に倒れこむ姿も凄く好きだなあ。

鉈切り丸が死んだと思って、景時や下っ端の侍達がホッとしてハアハアと息をしているのも聞こえました。
これも25日は聞こえなかったので、26日のように一番端の席だと聞こえやすいのかなと思ってみたり。

最後に鉈切り丸が鳶に語り掛けてる時、景時は顔を背けてるんですね。
辛そうな表情に見えたのですが…。
一瞬でも「殿」と思った相手だからなのでしょうか。
同情しているようにも見えました。

明日の千秋楽でまた鉈切り丸に会えるのが本当に嬉しい。
でも、それが終わってしまったらこの世から鉈切り丸は消えてしまう。
カメラ撮影していたようなので、DVD発売されることを期待しています。
そうすれば、また鉈切り丸に会えるから。

*1:今回は前3列を潰しているので実質7列目

*2:ステージに向かって